今回の、「活動現況説明会」において、最後に行われた「質疑応答」について、「工藤逸朗の感想」を報告します。
説明会の詳細については、他の報告を参照してください。
宇井教授、岡田教授の説明は、20時10分に終わり、その後、参加者からの質問を受けました。
(1−1)、新聞記事の「地震空白域」に関して、読んでも、その意味が分からなかったのだが、
今回説明を聴いて、よく理解できた。
(注)岡田教授:ただし、「地震空白域」に関しては異論も有る。
工藤の感想→新聞記事は、みなさん、よく読まれていると思いますが、記事だけでは、用語などよく分からないことがあっても、
それを教えてもらったり、調べる手段が無い。結果として、消化不良になってしまう。今回のような説明会があると、とても分かりやすいし、
避難している方々の持っている疑問点が解消出来たでしょう。そのための手段としても、報告会を開催することは、大変意義がある。
(1−2)、遊砂地を作っているそうだが、その件について教えて欲しい。
長崎町長から、規模・設置場所の説明がありました。
工藤の感想→自宅近くに「遊砂池」が在るそうで、自宅のことを大変心配なさっていますが、いまだ公式発表が無いとのこと。
情報が不足しているのが、分かります。
ここで、温泉地区の被害状況の説明が岡田教授より、ありました。
「『読書の家』の中は、シャンデリアのみ表に出ていて、後は地中に埋まっている。本棚は押し流され、湖側の土地に本が散乱している。
230号線側の泥流溝のおかげで、橋が流されている他は、その泥流溝・西側地域に、やや被害が有るが、ホテル街の方は、
あんまり被害が無い。」とのことでした。
宇井先生による補足としては、「泥流の先端(?)は、230号線の橋の流されたところで、止まっている。」とのこと。
長崎町長より、「近々、泉地区、入江一区に対して、説明会を開く予定。」とのお話あり。
工藤の感想→このとき、参加者側から、「それを待っていた!」という意味での、声が上がりました。みなさん本当に、
「行政サイドとの対話、意見・情報交換の場」を求めているのを痛感しました。
(2−1)、「いつ、自分の家の庭が『噴火口』になるのか、、、。」、心配だ、、、。
工藤の感想→これは、帰宅が出来た入江地区の方です。避難の(一時)解除が実現されたとしても、そういう不安感が付きまとって、
「夜も眠れない。」という心境が、伝わって来ました。「本当に、今後自分の家が安全なのか?」、解除になった地区でも、
それは、とても大きな関心事であり、安心したいという気持ちは、切実であります。
そして、「科学的に、安心させうるような情報・データが有る」ならば、ぜひとも、早く伝えてあげて欲しいものだと思います。
(2−2)、ピークは、過ぎたのか、どうか?
(2−3)、危険のピークを100点満点で考えると、いまは、何点か?
工藤の感想→岡田教授も、「『終息した。』と言えれば、自分も楽。(苦笑)」とおっしゃってました。
なかなか、難しい質問で、返答に窮する部分もあったようですが、両先生とも、
真摯に、持っている情報は、出来るだけ開示しようという姿勢でありました。
「疲れている。」というのが、本音なのかもしれませんが、今回のような、「住民報告会」にも出席されています。
まだまだ活動は終息したと言い切れる段階ではなく、
避難されている方々も大勢いらっしゃいますし、激務は続くでしょうが、お体に気を付けて、
噴火活動に対する研究・監視に尽力していただきたいと思います。
収束(終息)に関しては、
「マスコミが伝えると、すぐ、『絶対。』という言葉を使うが、
『科学者』は、『絶対』という言葉を使わない。」というご発言は、たいへん重みがありました。
「『正しい報道』を、望みたいものだ。」と、強く思いました。
(3−1)、内輪の話で、あと、どれぐらい我慢したら良いのか?
(3−2)、次の噴火は、いつか?
記録に残っているのは、被害の大きかった噴火だけであり、古文書に残っている以外にも、噴火は有ったのではないか?
であれば、周期というものは、かなりばらつきがあるとも、考えられる。
20年、30年後くらいではないかとのこと。
(3−3)、先生に、会いに行っても良いか?
虻田町を通じて、FAXで質問すると良いとのこと。
または、火山学会HPの「質問コーナー」に書き込むと、専門家のアドバイスも受けられる。
(4−1)、住民との対話集会を、開いてもらいたい。
大きな拍手が上がりました。
(5-1)、荷物を出したい。
虻田の行政の方で、「行っても良いよ。」ということでしたら、ぜひ行きたい。
回答:調査、検討中とのこと。
(6ー1)、「カテゴリー1」の線引き は、どういう基準か?
気象庁が決めているので、そちらから回答があるのでは?
とのこと。
(7−1)、(自宅、勤務先の事情の話をされた上で、)町長に話を聞いてもらいたい。
岡田教授:
次の噴火を考えながら、「防災空間」(たとえば、公園)を考える。
(かと言って、「火口に一番近いところ」の、線引きは難しいが、それは、様子を見ながら。)
例1: 流された橋げたを「永久保存」するとしたら、世界中から観光客が呼べる。
復興させるにはどうしたら良いか、考えるべきだ。
例2:十勝の白金温泉の例を引き、防災と観光を共存させるにはどうしたら良いか、考えたい。
(7−2)、金屏風は崩れないのか?
考えにくいとのこと。
長崎町長:「噴火に強い街づくり」の提言。
みなさん、まだまだ、質問したいことが有るようでしたが、時間も限られているため、
予定時間をオーバーして、終了となりました。
そのあとは、掲示されている被災地域の写真を、食い入るように見ていました。
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