三宅島島民の一時帰島に対する請願書

平成12年6月に始まった三宅島の噴火活動は、相次ぐ地震、降灰、泥流による避難生活
を強いられ、九月には残念ながら、全島民が島外に避難するという、三宅島史始まって以
来の最悪の結果となり、その避難生活は六ヶ月を越すに至った現在でも、帰島の見通しが
立たないままの、慣れない避難先での生活を余儀なくされております。
 私達は、島を捨てずに最後まで頑張ろう言う行政を信じ、又、全島避難の際にも、短期 的な島外避難を信じながら島を後にしたわけですが、どこにも当たり様の無い、又、火山 学者による統一的な観測も立たない火山活動は、終息の気配を見せるどころか、気象庁の 発表、村長外、行政の方々の意見では、より一層の長期化を覚悟しなければならない現実 に直面しております。
 このような中、我々避難住民は、緊急な島外避難の指示により、着の身着のままで、又、 長期にわたる生活の用意、財産等の始末もしないまま、島を離れており、現在に至り、こ れを非常に心配するところとなりました。
 先般の報道によりますと、島の現況の視察に内閣総理大臣を始め多くの報道の方たちが 渡島されたようですが、この際の村長の発言や何れの報道を聞きましても、梅雨や台風シ ーズンを経て益々この被害が拡大すると言うような印象を与えるものばかりでした。被害 が拡大すればするほど、持ち出すことの出来なかった、整理することの出来なかった数々 の掛替えの無い私達の財産にも大きな損失が生じてくることは避けられない状況です。
 つきましては、雨が多く続く三宅島の梅雨時期を前に、希望する三宅島住民の一時帰島 をここに要望いたします。一時帰島につきましては、現在の状況から非常に厳しいと言わ れるところでありましょうが、近いうちには、一部の方々の常駐体制が取られるという事 も聞きます。また、常駐での作業体制も検討されていると伺います。先には一般人である 報道の方々も渡島されました。総合するに、必ずや我々三宅島島民が一時帰島し、今、守 らなければならない財産の整理、搬出に対し、何らかの道が開かれるものと考えるところ であります。今なら守ることの出来る財産がたくさんあります、整理もせずに飛び出して きた家の対策を始め、位牌を残してきた人もありましょう、数々の思い出の詰まった写真 や衣類の持ち出し、冷凍庫、冷蔵庫の整理も可能です。
 村長を始め行政に携わられる皆様も今回の噴火災害、住民の避難には、同様の被災者で あり、その中で我々住民のために多くの尽力をなされているところとは充分ご理解申し上 げますが、何卒、今一度、被災者の立場から、この一時帰島について実現されますよう要 望申し上げます。

 

提出先 三宅村村議会議長

島魂 http://miyakejima.net