その2
(5/6 壮瞥町公民館にて)
2000年 有珠山噴火の活動現状報告
北大 宇井 忠英 岡田 弘
18:40 レクチャー資料の説明 | |
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宇井 記者レクチャーでも使用した資料をお見せします(OHP使用) 1 断層・火口の位置図
2 西山周辺地域の隆起状況図
岡田 また、隆起が南方面に膨れている(JRの線路を曲げたのもこれのせい)南側のほうが低いので、マグマが出やすいのかもしれない。 「地上に溶岩ドームができるか?」 マグマの動向を観察することで、分かると思う。 宇井 岡田 宇井 岡田 |
OHP説明の様子 渡された資料をじっくり見ながら聞く地元の人 |
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17:30 質疑応答 | |
Q 今の話であった、出口を求めてさまようという話から、次は壮瞥側で噴火するようなことはないのか? A 出口を求めてさまようといっても、今回のマグマの出所は、金毘羅山の深いところから上がっているように思える。 今度はどこから出るか?マグマが隙間を見つけて出てくる場所としては、今隆起している場所、それ以外で地割れがあるところ、ずれがあるところ。から出てくる可能性が高い。 伊達やその他まったく違うところからの噴火の確立は今のところ低いと思う。
Q 放出したエネルギーが少ないと言っていた記憶があるが、西山近辺が安定している今、今度は西山以外で噴火しないか? A宇井 浅いところまでマグマがきているが、西山の地下全てがマグマで占められているわけではない。別なところにでる可能性はある。 A岡田 時間のスパンをどのくらい取るかで違ってくると思う。今回の噴火を1ステージとして考えるなら、次の2ステージ目は西山もしくは隣接地、西山の西の低いところが確率的に高い。 このまま終わるかどうかは分からない。もちろん終わってくれれば越したことは無いが、次の噴火は山頂で起こることはほとんど無いと考える。先ほど言った地点で起こる可能性が高い。その時は、火砕サージや泥流を警戒する必要がある。 レッドゾーンは小さくなったが、火口が生まれやすい地域は警戒が必要。
Q うちは国道230号線近くにある団地ですが、一時帰宅は可能でしょうか? A宇井 一時帰宅には安全の確保が重要になります。火口近くは難しいと言うしかない。いけるかどうかは行政が判断することだが、今のところそれは難しいというしかないだろう。 A岡田 現状を申し上げると、噴石で100個以上屋根に穴があいていたり、泥流で埋まっている状態です。集団移転を考える方が現実的かもしれない。 洞爺湖温泉の80%は灰のみ。流土堰の効果で東側は無事のようだ。今のところ洞爺湖温泉東側はさほどの被害ではない。 A宇井 実はあまり報道では触れられないことですが、隆起している場所に住んでいる建物の中には、外見は無事でも、傾斜して住むことができない建物もおおくあります。 A岡田 先ほどの集団移転、復興に関わる話ですが、破壊された場所では、それを逆手に取ることも可能かどうかこれも検討すべきでしょう。 A宇井 日本では「現状復帰」という言葉が良く飛び交いますが、これは行政・日本の特性であると思います。
Q 地殻変動の話があったが、これによりJRの線路や高速がずれたりしたが、今後はこのようなことがないのだろうか? A岡田 3/31に今までの噴火で最大のエネルギーが放出された。このときの隆起は狭い個所に集中して起こっている。現在のJRの線路や国道に影響を与えているのはむしろその後の隠れた溶岩ドームの生成によるものであります。 A宇井 わたしなりに考えるところでは、今の使用はあくまで「仮」にすぎないと思っていますし、関係各位にはそのように申し上げております。今はあくまで「だましだまし」使うしかない。復旧とは考えないで欲しい。 |
以上で説明会は終了しました。