さまざまなメディアを通して、ボランティアが不足しているとの
情報が流れましたが、今現在はそういった情報は流れてお
りません。この理由に対するお問い合わせが非常に多いの
で、敢えてきちんとした本音をご提示申し上げます。
この見解は、私冨田きよむ個人の目で見て確認したことに
基づいて、可能な限り己の感情を押し殺し、客観的でありたい
と願って書くことをご理解ください。
現在、伊達市と、長万部町ではっきりとボランティアは現在必
要ありませんと明言しております。
恐らくはた町村も同様であろうと思います。
この理由として、下記の点が挙げられます。
1 物理的に必要がない。
現地ボランティアで事足りています。伊達市の場合でいい
ますと、3万5000人の人口のうちで被災したものは3000人
程度です。一部の人気(?)のある避難所を除いて、非常にス
ペース的に余裕があるほどです。スタッフにしましても、市職員
を中心に、非常によく機能いたして降ります。無論、市職員の大
きな犠牲の上に成立しているからに他なりませんが。今後の課
題として、地元自治会などを中心としたお手伝いボランティアを
組織して、「通い」のボランティアを確保する方向に向かうように
提案していますし、これが本来でしょう。
2 ボランティア受け入れの準備が整っていない。
遠いところをはるばると災害復旧に来てくださる方々をきちん
とひとつの目的のために、合理的に配置することができる体制が
取れておりません。結果として、ボランティアの方々の行為を無に
する結果となります。
3 突然の災害でなかった。
住民の中にはこれで2度目の噴火だと言う人、中には3度目だと
いう人もかなり含まれており、30年に1度は必ず噴火が来ると覚悟し
て生活いたしておりますので、心構えがあらかじめできておりました。
ですから、精神的なダメージも他と比較して少ないように思われます。
4 人海戦術を必要としない。
重油流出事故や、阪神淡路大震災の時の世に、いわゆる肉体労働
で復興して行く災害ではないのです。多くの人手を掛けて復興するの
ではなくて、時間が解決するタイプの災害です。
以上のような理由から、よほどの専門的な知識、技術をおもちでない限
り、現場におみえになっても、ご活躍いただくチャンスはきわめて少ないと
思われます。
ボランティアをお申し込みの皆様には、そのお志だけを、大変ありがたく
頂戴し、温かい目で見守っていただきたいと思います。私たちは自分で立
ち上がります。このとき、ほんのわずかなお手伝いをお願いすることがある
かもしれません。そのときは、私どもから、この点をお手伝いいただきたい
旨改めてお願いを申し上げるのが筋であろうと考えております。
身内のことはまず身内で。それでもどうしても力の及ばないときに、始めて、
隣人の援助をお願いするべきではなかろうかと存じます。以上、私冨田きよ
むの個人の考え方をご説明申し上げました。なにとぞご理解賜りますよう、
同時に、温かく見守っていただきたく、重ねてお願いする次第でございます。
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