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「うすゆめ〜山に願いを☆彡」趣意書
  1.背景
 平成12年3月31日の噴火以来、被災地に対する援助は、直接的間接的に 種々の手法で行われてきた。参考資料として添付した「うすこいプロジェクト」 (平成12年4〜5月実施)の背景説明にあるように、災害自体の死傷者はお らず、避難所等における最低限の生活水準の確保や、行政サービスの維持など、 災害対策は十分にとられている。
 しかるに、災害に遭った人々の精神的ダメージは、避難生活の長期化により、 噴火当初とは違う、深刻な状況が生まれてきているものと推測される。「衣」 「食」「住」ではなく(これも、重要な問題ではあるが)精神的なダメージや ストレスである。特に、若年層においては、阪神・淡路大震災のときに言われ たように、心のケアが必要不可欠である。
 平成12年4〜5月に実施した、有珠山ネット「うすこいプロジェクト」で は、全国のこどもたちが描いた、心温まるこいのぼりの絵やメッセージを、イ ンターネットを通じて、避難所のこどもたちに届けることにより、こどもレベ ルの交流を実現し、かつ、避難所のこどもたちにも実際にこいのぼりを描いて もらうことで、被災地のこどもたちの心のケアを間接的に応援した。5月5日 の子どもの日には、各避難所から多くのこいのぼりの画像が集まり、有珠山ネ ット・ホームページ上で公開したところ、全国から多くの支援のメッセージが、 有珠山ネットの掲示板や電子メールを通じて、殺到した。
 「うすこいプロジェクト」は、いわば、全国から被災地へ向けての支援が中 心であり、また、避難所から仮設住宅等に移転する人々にとっては、今後は参 加できにくい企画である。さらに、有珠山の噴火の動向は未だ流動的であるが、 日常生活への復帰、すなわち復興のための道筋は次第に開かれつつあり、今度 はいわゆる普通の生活に戻るための、心のケアが必要となってきている。特に 子供たちは、恐ろしい噴火体験の後だけに、精神面での支えが必要であり、こ れは緊急に行うべき課題と考えられる。
 以上のことから、「うすこいプロジェクト」に引き続き、被災者、特に子供 たちのの心のケアを支援する企画を緊急に実施することが必要との結論に達し た。また、今度は受け身ではなく積極的に被災者、特に子供たちが参加して、 少しでも復興の手助けとなる企画であるべきと考えた。
 さらに、有珠山噴火の災害についてはマスコミ等で報道される機会も少なく なり、引き続き、支援を受けるためには、有珠山災害が過去のものではなく、 現在進行中のものであることを、これからも全国に対して訴えていかねばなら ない。




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