北海道有珠山噴火復興通信FMレイクトピア計画

76.1MHz

 2000年3月31日、金曜日、13時10分有珠山(732m)噴火。1977年(昭和52年)8月以来23年ぶりの噴火。
 当初の噴火場所は虻田町の西山西麓で4月5日には金比羅山西側山麓でも新たに噴火した。
 それら噴火口は国道230号線上や温泉市街地に近接するなど地域に甚大な被害を及ぼし、交通手段やライフラインが寸断されている。噴火と同時に虻田町、壮瞥町、伊達市3市町の住民1万8千人が非難したが人的被害が一人も出なかったことが不幸中の幸いであった。噴火より役1カ月経った4月25日現在も、虻田町は7,820人、壮瞥町では340人が避難している状況で、それらの方々に正確な情報とそれを得る手段として災害FM放送局(FMレイクトピア)を計画するものである。

北海道虻田町 FMレイクトピア


2000年5月8日(月) 正午

【オープニングアナウンス】

ADB−虻田町災害FM放送局復興通信 FMレイクトピア
ADB−虻田町災害FM放送局復興通信 FMレイクトピア

有珠山噴火の被災地域、避難地にいられる皆さん、
こちらは「あぶたふれ合いセンター」の2階に開局しました虻田災害FM放送局

FMレイクトピア

です

このFM放送局は、このたびの有珠山噴火の被災地域や避難民の皆さんに、日々の暮らしや生活の再建に必要な情報をキメ細かくお知らせするために、虻田町が開局したものです。

このアナウンスから、放送が始まります。



有珠山噴火概要

有珠山火山活動災害とは

(被災状況:噴火平成12年3月31日から4月25日現在、有珠山噴火非常災害現地対策本部長)
発生
平成12年3月31日(菌)13時10分 有珠山噴火
噴火地
虻田町の西山西麓、金比羅山西側山麓
噴火状況
  • 西山西麓、金比羅山西側山麓にはそれぞれ火口群を形成している。
  • 噴火以来現在まで総降灰量100万トン以上で雨による泥流発生の危険がある。
  • 4月25日現在活発な火山活動中で今後大規模噴火の危険性がある。
死者等
噴火による死傷者は無い。
被災地
虻田町、壮瞥町、伊達市の1市2町
避難住民
噴火当初、17,760人
4月24日現在 虻田町避難住民 7,820人
        壮瞥町避難住民   340人
避難所   平成12年4月24日午後4時現在
市町村 名称 避難住民
壮瞥町 仲洞爺公民館 5人
仲洞爺キャンプ場センターハウス 25人
久保内農村環境改善センター 67人
青少年会館 44人
豊浦町 中央公民館 508人
旧エイペックス社員寮 1060人
旭町集会所 40人
海岸町福祉の家 28人
旭町児童館 50人
高岡避難所 85人
長万部町 福祉センター 171人
スポーツセンター 268人
青少年会館 84人
高砂振興会館 42人
南栄町老人憩いの家 35人
老人福祉センター 54人
陣屋生活館 36人
洞爺村 道立洞爺少年自然の家 213人
農業研修センター 100人
虻田町 花和小学校 60人
亮昌寺 64人
デイサービスセンターふる里の丘 10人
登別市 市立老人福祉センター 24人
室蘭市 市立体育館 118人
サンライフ室蘭 96人
伊達市 東地区コミュニティセンターみらい館 170人
カルチャーセンターあけぼの 370人
市立武道館 150人
合計 4007人


被災状況

・虻田町では噴火による噴石・火山灰・地殻変動・泥流から家屋の消滅や断裂、破損個数戸。
・地殻変動により虻田町の上下水道施設に被害があった。
・噴火口の出現や地殻変動により国道230号線、町道泉公園線の主要幹線が不通となり虻田町本町と洞爺湖温泉往来が遮断した。
・地殻変動によりJR室蘭線、道央自動車道が不通。 家屋被害
・全壊家屋=14戸
・被災家屋=調査中 被害総額
・調査中
□被災地域の放送事情
○現在の放送体制
・テレビ=日本放送協会NHK、北海道放送HBC、札幌テレビ放送STV、北海道テレビHTB、北海道文化放送UHB、テレビ北海道TVH、計6局
・ラジオ=AM:日本放送協会NHK第1・第2、北海道放送HBCラジオ、札幌ラジオ放送STV FM:NHK-FM、エアーG、ノースウエーブ
・噴火前の3月28日、有珠山火山活動北海道災害対策連絡本部設置と同時に各社とも全力を挙げて噴火予報を克明に伝達。
・今回の噴火に際して沈着冷静に、一人の死傷者も無く行動できた背景には、被災した人々に対して噴火に関する情報が十分に届けられたことがあげられる。
○当時のテレビ、ラジオによる情報提供内容と地区のメディアの必要性
・有珠山噴火非常災害現地対策本部が定期的に情報を提供するシステムだが、報道の重点が広域対応のテレビ、ラジオでは被災した人々が直接ほしい情報とのギャップが生じている。
・約一ヶ月経った現在、噴火は終息の見込みはないが、被災者にとって当面の生活情報(仮設住宅の入居手続き、ライフラインの復旧の見通し、失職相談等など)が必要で、地区の災害対策本部の情報を適宜、的確に伝達する独自のメディアが必要になってきている。




有珠山火山活動虻田町災害対策本部

災害時に開設するFM放送局について

1.計画の概要

長期避難生活を送っている被災者に、火山情報・対策本部情報を提供したい、一時帰宅やボランティアの各種事業等の情報を提供し、対策本部と被災者とのコミュニケーションを図る。

2.実施主体者

虻田町

3.到達エリア

虻田町を中心に長万部町・豊浦町・壮瞥町・伊達市・室蘭市・登別市の一部を経過宇しているが、最終的には虻田町・豊浦町・伊達市とする計画である(別紙3)
基地局は虻田町の危険区域カテゴリー1・2・3に属さない「虻田ふれあいセンター2F事務室」とする。(別紙2)

4.実施スケジュール

応急仮設住宅・応急公営住宅の入居が開始される5月8日までに開局したい。

5.窓口

有珠山火山活動虻田町災害対策本部
避難施設責任者 中野 淳 090-9755-5220
ボランティア代表(技術関係) 渕瀬 靖寛  090-8902-5108