三宅村村議会議員 佐久間達巳氏の回覧
  三宅材の助役・収入役否決の愚と今後の影響につVlて(報告)

 噴火による全島避難から1カ月が過ぎますが、村民の皆さんは落ち着かれたでしょう
か。 今も故山は噴煙を上げており、残念ながら帰島のメドはたっていません。 そん
な中で、村民の方から「新開報道等、断片的な情報しかない」として同い合わせの多く
ある「助役・収入役否決の件」について(今回は助役人事を主として)報告いたします。
 なお、一方的な報告と誤解されるのは遭憾ですので、ぜひともこれが事実か杏かにつ
いて、皆さんがそれぞれ支持された議員の方々に直接確認して傾きたいと考えます。

経過について
 長谷川村長は『今後も続くであろう噴火による災害と避難生活に最大の支援を得るた
めには東京都の協力を戴くことが必須』と考え、助役については都の人材の中から選任
することを決意。 その選任を含めて都と協議を進め、島嶼で実務経験のある侯補を自
信を持って厳選し、すぐに(議会提案の一週間前)経歴書を持って議員ひとりひとりを
訪ね協力方を要請しています。従って議員に対して何ら租談がなかったというのは誤
りであり、遅いといわれたその時期についても「人事ということ、たぴ重なる噴火災害
の最中である」という事情からも常識の範囲であったと考えます。 しかも臨時議会の
当日(9/1)提案の際にも、議員控室において頭をさげて懇願したにもかかわらず、
結果は 賛成4、反対7 で否決をされました。

本件に対する私の見解
 私は長谷川村長のとった人事提案に対し「東京都との信頼関係を続ける」ためにも、
そのパイプ役として厳選された候補に、何ら迷いなく賛同いたしました。 今でもその
判断に誤りはなかったと確信しております。 村民(村)にとって被災状況下で何が大
事かを考えれば、否決(反対)などという愚行は選択できないと考えたのです。
 反対された理由について口を開かない議員(避難以降、あえない議員も)もいますが、
その主な理由は次の2点(新開掲載の議長のコメントより)に集約できます。
(1)提案に際して議員に対し、人選も含めもっと早く相談すべきであった。
(2)東京都の堆薦とはいえ、どういう人物か分からない権限は同意できない。
 前段(1)について。 助役、収入役の選任は村長の権限でありますが、議員にも候補と
して人選が囲まってすぐに要請に回った(前述の通り)ものであります。 また事前の
相談うんぬんについては、村長就任当初から反村長の立場の議員や、頭から「都の職員
上がりはダメ(理由は不明?)だ」とする議員に、人選も含め相談ができるでしょうか。

 村長自身も早い時期に助役侯補を決めていながら議員に打珍をしなかったわけでなく、
侯補が確定したのが提案の1週間前であったということです。 この期間が短いか否か
については論議があるでしょうが、仮にこれらを理由に反対したとすると「村の将来」
よりも「俺に相談がなかったから」という変な個人のプライドを優先したとしか私には
考えられないのです。
 後段(2)について。人物の評価については、村長も自信を持って提案し「万一、適任
者でなかった場合には自らの職を辞しても良い」とまで言いました。更に東京都も知
事をはじめ島嶼選出の都議までもが配慮されているにもかかわらず耳を傾けなかったこ
とは、都も村長も信用しないということです。 しかも驚くのはこればかりではありま
せん。 否決の後に都知事に非難されても「内政干渉だ」と逆に批判しているのです。
 村民のためを考えて『反対』を選択したのではなく、村長に対する個人的な感情が前
面にでていて、人物を直接知っているか否かが理由だったとは思えません。
 反対したから『悪』で賛成したから『善』だとは申しません。私の知らない部分で
の理由もあるでしょうから。 しかし考えて頂かなければならないことは「否決」した
事実により、今後の東京我と三宅村の信頼関係に影響がでる心配があることです。財
政力の乏しい三宅村にとって都とのラインは命綱であり、即、避難生活をされている村
民の皆さんに直結する同題です。反対された議員の方々には「反対したことによる都民
の信頼関係に影響はない」という根拠(例えば知事のその旨のコメントをとる等)を
示す最低限の責務がありますが、これを放棄するばかりか、議会として「噴火災害に対
する支援要請」を都と国にすべきと提言しても、1ケ月を経過した今も一部の議員は消
極的です。
 東京都には、住宅の無償提供やテレビ、冷蔵庫、洗濯機等30品目をこえる生活用品の
支給など、実に手厚くしていただいています。更に受け入れを快くしていただいた各
自治体にも温かく見守られていますが、三宅村内部のことで筋も通せず、けじめもつけ
ないようでは、見放されるのも時間の問題でしょう。
 村長の両腕をもぎ取るようなことをしておきながら、村行政の対応の遅さばかりを批
判している場合ではありません。
 選択肢はふたつにひとつ。「否決は誤りであったこと」を認めて公式な場でけじめを
つけるか、「否決は正当であった」とするならば、東京都の援助を断わり、三宅島独自
で生きていく方策を示すかです。
村民の皆さん、ぜひともご自身の耳でこれらについてを確認して頂きたいと考えます。

平成12年10月4日

三宅村議会議員 佐久間 達巳

※本報告については私自身の責任において出したものであり、反論を含む提言等につ
 いては時間の許す限り応対しますが、常識的な範囲でお願いします。