平成13年4月20日 連 絡 先
午後3時00分 総務局災害対策部応急対策課
東京都災害対策本部 03-5388-2455
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|政府非常災害対策本部同時発表|
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東京都災害対策本部の対応等について(第281報)
三宅島島内における夜間滞在の試行の開始について
別紙のとおり、夜間滞在の試行を開始しますのでお知らせします。
なお、政府非常災害対策本部(事務局:内閣府)からも同様の発表がなされます。
三宅島島内における夜間滞在の試行の開始について
平成13年4月20日
東京都災害対策本部
政府非常災害対策本部
1.三宅島においては依然として活発な火山活動が継続しており、特に全島避難の要因でもある多
量の火山ガスの放出は、現時点では終息する見通しが立たないところである。
2.東京都及び政府においては、火山活動が沈静化した場合に、住民の方々の一刻も早い帰島を実
現するため、帰島時期の判断等を適切に行うことを可能とするとともに、早急に本格的復旧作
業に着手できるよう、ア 火山観測・監視体制の強化、イ 主要都道、電力等のライフライン
の維持・復旧等を達成することを目指し、両者の密接な連携の下、これまで島内における各種
作業及び工事関係者の安全確保のための対策を実施しているところである。
3.さらに、事態の長期化に伴い、泥流により道路・家屋へ被害が及ぶ事態が拡大しており、泥流
流路工事の実施等の被害防止対策の推進が喫緊の課題になっている。
4.三宅島における作業を効率的に実施するため、島内の既存の堅固な建物に火山ガスに対する安
全対策を施した施設(クリーンハウス)を整備する等万全の安全対策を講じて島内夜間滞在を
実施することとしており、来週、昼間の避難訓練等を実施した上で、4月29日を目途に、防
災機関職員、火山の専門家等20名程度による夜間滞在の試行を開始する予定である。
5.夜間滞在の試行においては、本格的な夜間滞在に向けて、1月程度、火山ガスに対する安全対
策を施した建物(クリーンハウス)や緊急時の避難体制の安全性の検証等を行うこととする。
6.これらを踏まえ、6月中を目途に、本格的な夜間滞在を開始する予定である。
(別 紙)
1.火山ガスの現状と火山活動の見通し
三宅島では、現在、多量の火山ガスを山頂火口から連続的に放出する火山活動が続いている。噴
煙についても山頂火口から連続的に噴出されているものの、まとまった量の降灰を山麓までもたら
す規模の噴火活動は、昨年9月以降発生していない。
地震活動・地殻変動に大きな変化は見られず、当面は現状と同様の活動が継続するものと思われ
るが、爆発的な噴火活動の可能性は完全には否定できない。
このような火山活動の島内山麓部への影響については以下のとおり。
(1)火山ガス
風下側に当たる領域では火山ガスが流れてくる可能性があり、実際に観測されている。風が弱
い等の気象条件においては、島内が広くガスに覆われる可能性もある。特に窪地などガスの溜ま
りやすい場所については、注意が必要である。
(2)爆発的噴火
山麓の林道雄山環状線(鉢巻き道路)の外側(海側)領域(C3領域)に噴石・火砕流をもたら
す規模の噴火の可能性は、完全には否定できない。しかしながら、現在のところ、このような規模
の 噴火が発生すると思われる異常な現象は見られていない。
(3)泥流
これまでの噴火により火山灰が堆積しており、降雨による泥流発生の危険がある。
2.今後の島内作業
三宅島噴火災害に関して、東京都及び政府においては、火山活動が沈静化した場合に、住民の
方々の一刻も早い帰島を実現するため、帰島時期の判断等を適切に行うことを可能とするととも
に早急に本格的復旧作業に着手できるよう、火山等の観測体制の強化、主要都道、電力等のライ
フラインの維持等を達成することを目指し、これまで島内における各種作業及び作業員等の安全
確保のための対策を実施しているところである。
これに加え、事態の長期化に伴い、泥流等により、応急復旧された道路等が再度被害を被るほ
か、避難者家屋等へ被害が及ぶ事態が拡大しており、泥流流路工事等を実施することによる泥流被
害の防止対策の推進が喫緊の課題となっている。
(1)島内において実施する必要がある主な作業
ア 泥流流路工事、砂防工事
島内に堆積した火山灰等を原因とする島内の被害の拡大を防止するため、泥流等の発生の可能
性がある全27渓流のうち、特に集落付近の16箇所について緊急に泥流流路工事、砂防工事を
実施する必要がある。
イ 本格的復旧工事の基礎調査
火山活動が沈静化した場合、早急に本格的復旧作業に着手するため、道路、水道等の本格的復
旧のための基礎調査、計画策定等を必要に応じて実施する必要がある。
ウ ライフライン等の維持
火山活動が沈静化した場合、早急に本格的復旧作業に着手する環境を整えるため、泥流等によ
り機能障害を生じた道路、電力等の維持・復旧作業を行う必要がある。
エ 火山活動の観測
島内における安全を確保するとともに、帰島時期の判断等を適切に行うため、山麓部に加えて山
腹部等において、気象庁職員等の火山専門家による火山活動の観測等を行う必要がある。
(2)昼間における島内作業に当たっての安全対策等
昼間における島内作業実施に当たっての安全確保等については、平成12年12月8日東京都災害
対策本部・政府非常災害対策本部決定によるものとする。
3.夜間滞在の進め方
(1)夜間滞在の実施の趣旨
2.(1)の島内作業、特に緊急に実施する必要がある泥流対策を効率的かつ集中的に実施す
るため、島内作業の体制を強化し、これまでの神津島からの通勤方式に加えて、万全の安全対策
を講じた上で三宅島における工事関係者等の島内夜間滞在を実施する。
(2)クリーンハウスの設置
夜間滞在場所として三宅島島内に東京都がクリーンハウスを設置する。クリーンハウスにつ
いては、以下の安全性能等を確保するものとする。
・高濃度の火山ガスを除去する能力を有する脱ガス装置を設置する。脱ガス装置は故障等に
備え、2機設置する。
・平成12年8月18日の噴火と同程度の噴火により噴出される噴石に対しても安全な
構造・強度を有する建築物とし、窓には鉄板、強化樹脂等により覆いを設ける。
・設置位置は泥流被害のおそれがある箇所は避けるとともに、港湾及びヘリポートまでの避
難路を常時確保する。
・無線通信機器を配備する。
・発動発電機を装備し、電力の二重化対策を施す。
・脱ガス装置のフィルター、防毒マスク、火山ガスの検知器、食・飲料について数量に十分に
余裕をもって常備する。
(3)夜間滞在の体制
三宅島での夜間滞在については、防災機関職員、火山の専門家等20名程度による試行によ
り安全対策を検証し、夜間滞在する工事関係者等の規模を、安全対策の実施状況を踏まえつ
つ、段階的に拡大するものとする。(6月を目途に100〜150人規模の夜間滞在を実施予
定。8月頃を目途に250〜300人規模の夜間滞在を実施予定。)
(4)夜間滞在に当たっての安全対策
夜間滞在に当たっては、万が一にも滞在者の生命、身体に危害を及ぼすことがないよう、試行期
間等に安全対策について十分な調査・検証を行い、これを踏まえて、万全の安全対策を講じる。
4.夜間滞在の試行の内容
(1)試行の時期、人員構成
夜間滞在に先立ち、昼間における避難訓練等を実施し安全性を確認した上で、4月29日を
目途に、火山の専門家及び防災機関職員からなる約20名の夜間滞在の試行を開始し、1月間
程度、安全対策等についての調査・検証を行う。夜間滞在場所は三宅島伊豆地区の東京都三宅
支庁第2庁舎をクリーンハウス化して使用する。
(2)試行により調査・検証する内容
試行により、工事関係者等による夜間滞在実施時の安全対策、夜間滞在実施の基準、緊急避難
体制等を調査・検証し、成案を作成する(具体的調査・検証項目の例は以下のとおり)。
・クリーンハウスの性能試験(室内加圧情況、ガス防御効率、ガスの室内外濃度差)
・クリーンハウス関連機器の検査(ガス検知器精度、脱ガスフィルター交換、電力停供給停止時の
性能検査)
・居住性能(水・食料、トイレ、生活環境)
・情報伝達訓練
・空港、ヘリポート、港湾の照明訓練
・夜間の自動車、徒歩による夜間の避難訓練(ガスマスク着用)
・夜間の緊急ヘリ脱出訓練(照明、通信、撤収確認等)
・夜間の船舶による脱出訓練(照明、通信、撤収確認等)
(3)試行期間における安全対策
1)クリーンハウスの安全性能等について、試行に先立ち確認を行うとともに、試行開始後におい
て安全性能等に障害が発生していないことについて常時確認を行う。
2)火山活動、火山ガス濃度、クリーンハウスの作動状況、天候等により、夜間滞在を行うことが
不適切と認められる場合には、夜間滞在を行わず、あらかじめ島外に退去する。
3)島外緊急避難を要する事態が生じた場合に備え、緊急避難体制の確保に万全を期する。
・クリーンハウス周辺の港(大久保漁港又は湯の浜漁港)に東京都手配の小型船舶を用意し、緊
急時の脱出に備える。
・海上自衛隊の艦艇及び海上保安庁の巡視船を三宅島近海に待機させる。
・東京消防庁、警視庁、自衛隊、海上保安庁のヘリコプターが緊急連絡により迅速に出動できる
体制を維持する。
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