Created on June,Thu. 8, 2000 and last modified on Thu,8-June-2000 1:30pm

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  • 有珠山の活動

 金比羅山(K火口群)及び西山西麓(N火口群)では、活発な噴火活動が断続的に続いる。火山性微動も継続して観測されてる。K火口群では、小規模なジェットの噴出とともに、噴石を飛散させる活発な水蒸気爆発を繰り返しており、N火口群でも火山灰を含む噴煙が観測されている。

 5日21時14分に有珠山南西部を震源とするM2.9の地震が発生したが、地震活動には特段の変化はみられない。火山性微動の振幅が昨日からやや大きくなっている。地殻変動の傾向に大きな変化は観測されていない。

  • 「規模も飛ぶ距離も低下」専門家が噴石調査

 有珠山の噴火で胆振管内虻田町の洞爺湖温泉街西側地区でここ2、3週間に降ったとみられる噴石の金比羅山火口からの距離は250〜300m以内にとどまっていたことが、北大の中川光弘助手ら専門家3人による6日の調査で分かった。虻田町は調査結果を参考に、今後の一時帰宅計画などを立てる。

 噴石は最大で直径15cm、重さ3kg前後。中川助手によると、表面に硫黄などの付着物はなく、マグマ活動とは関係がないとみられる。比較的多く降っていた場所でも、広さ300m2の範囲内で五個にとどまっていた。降灰の厚さは平均5〜10cm、最大で50cm。

 四月上旬に降ったとみられる噴石の場合、火口から約500mの地点で直径数10cmのものも見つかっており、中川助手は「当時と比べると、噴石の規模も飛ぶ距離も低下してきている」と説明している。火山灰と噴石は札幌に持ち帰り、成分などを分析する。

  • 虻田町泉地区の一部 70日ぶりに避難指示を解除

 有珠山噴火で避難指示が出されていた胆振管内虻田町の泉地区の一部で7日午前9時から、70日ぶりに避難指示が解除された。これで道央自動車道から海寄りの地区がすべて解除地区となった。対象は98世帯、251人だが、この地域は西山火口から近く、地殻変動や噴石の被害を受けている民家もあり、解除されたものの、自宅には戻れない人もいた。

 新たに解除されたのは道央自動車道の虻田洞爺湖インター周辺。洞爺湖温泉町や泉地区北側の1291世帯、2426人はなお避難生活を強いられている。

  • 噴火湾ホタテ養殖の「みみつり」作業に遅れ

 有珠山噴火の影響で、胆振管内虻田町のホタテ養殖に遅れが出ている。漁業者たちは、貝殻のみみに穴を開け、ロープにつるす「みみつり」作業を、時間に追われながら進めている。

 みみつり作業は、例年五月下旬には終わっているが、今年は噴火による避難時期と重なり、丸一カ月も遅れている。かごに入れて密集状態で育ててきた稚貝をばらばらにして成長を促す作業だが、稚貝をいったん陸に上げて作業を進めるため、気温が高くなると、斃死(へいし)率が高まるという。

 ホタテに水揚げ高の約九割を依存する虻田漁協はみみつりの量が11月から始まる漁を左右するため、作業の遅れを心配。気温の上昇に気を配りながら、作業を続けている。

  • 洞爺協会病院が19日、月浦集会所に仮診療所開設

 有珠山の噴火で胆振管内虻田町洞爺湖温泉地区の病院を閉鎖している洞爺協会病院は6日までに、同町月浦地区の月浦集会所に開設する仮診療所で十九19日から診療を始めることを決めた。これに伴い、同管内豊浦町の豊浦児童館内の仮診療所は17日午前の診療を最後に閉鎖する。

 仮診療所を移転するのは、月浦地区で10日から140戸の仮設住宅の入居が始まるため。新たな仮診療所では、レントゲンや超音波、エコーなどの検査を再開する。

  • 洞爺山水ホテル、朝里川温泉への進出計画延期

 有珠山噴火の影響で休業中で、小樽の朝里川温泉に進出する計画を五月下旬に発表した胆振管内虻田町洞爺湖温泉町の「洞爺山水ホテル」(田中実社長)が6日、計画の延期を小樽市に伝えた。

 同ホテルは営業再開のめどが立たないため、従業員の雇用確保などを目的に、小樽市が保有する温泉施設の土地と建物を購入して改装することにし、8月の開業を目指していた。計画延期の申し入れがあったため、同市は六日の市議会で、土地と建物を売却する議案を取り下げた。

 同市によると、洞爺湖温泉街での同ホテルの再開時期が定まらないため、金融機関からの融資がまとまらなかったことが主な理由という。延期の期間は未定。

 田中社長は「まずは洞爺山水ホテルの再開に向けた準備に全力を挙げ、その上で朝里川のホテルに取り組みたい」とし、「進出計画を白紙に戻すということではない」と話している。

  • 国土庁長官、温泉街の移転へ積極的意向

 中山正暉国土庁長官は7日、伊達市の現地対策本部で会見し、「比較的安全度が高い地域での観光事業に向け、国が立地の手伝いをしてもよいのではないか」と述べ、洞爺湖温泉街の一部が移転する場合には、国が立地選定などのプラン作りを支援するとの意向をあらためて示した。

 中山長官は「来年1月に統合する国土交通省がいい知恵を出し、国が援助して世界の名所にしてもいい」とも話した。同長官は5月19日に、集団移転を視野に入れた立地可能な地区の調査など、復興プランの検討を明らかにしている。激甚災害の指定については、「虻田町は確実だと思う。できるだけ地元が有利になるよう調査する」と語った。

  • 町村議長会が緊急要望 有珠山泥流対策など

 道内百78町村の議長で構成する道町村議会議長会は7日、道開発庁、国土庁など関係省庁と自民党に対して有珠山噴火災害対策に関する緊急要望を行った。

 朝倉英隆会長(胆振管内虻田町議会議長)ら役員五人が両庁のほか農水、運輸、自治、建設、労働の各省を回り、1)泥流被害を防ぐための工事の促進2)国道230号新規ルートの開設3)公共施設の災害復旧に対する財源支援―など六項目について政府の迅速な対応を求めた。各省庁の事務次官や局長らは「全力を挙げて取り組む」などと答えた。

 また自民党への要望では野中広務幹事長が「できる限りバックアップする」と述べた

  • 8日から避難住民に見舞金第3次配分

虻田町は8日から、5月28日時点で避難指示区域に自宅があった住民1947世帯、3621人を対象に災害見舞金の第三次配分を行う。

今回の配分総額は1億6796万円で、住民登録をしている場合とそれ以外で金額に差をつけた。 危険度が最も高い「カテゴリー1」の避難住民については、住民登録をしている場合は一世帯当たり5万円、家族一人につき3万円、それ以外はそれぞれ3万円と2万円。C2については住民登録をしている場合は3万円と2万円、それ以外は2万円と1万円とした。 町は8日、各避難所と仮設住宅を巡回して配分し、九日以降は同役場窓口で受け付ける。問い合わせは同町福祉健康課(電)0142・76・2121へ。

  • 特割りきっぷ発売〜JR室蘭線再開記念

JR北海道は6月1日から、有珠山噴火で見合わせていた室蘭線で特急の運行を再開するのに合わせて、札幌―函館間などで割引率の高い「特割きっぷ」を発売する。往復で普通車指定席を利用できるのが特徴。発売期間は5月25日―7月10日で、利用期間は6月1日―7月15日。札幌―函館往復は通常より41.8%安い1万円で、苫 小牧―函館往復は39.5%安い9千円。6 月1―7日はすべてのスーパー北斗、北斗を利用できるが、同8日以降は朝夕のスーパー北斗と小樽経由の臨時特急の列車に限定。

詳しくは→こちら

  • ファックスサービス

北海道新聞情報研究所は、有珠山周辺自治体を対象に「道新FAX(ファクス)サービス」の無料提供を始めた。発信者があらかじめ「情報ボックス」に入 力した情報を、ファクスで不特定多数の希望者に送信する仕組み。 利用はファクス011・700・5600をダイヤルし、音声案内に従って情報番号8800を押す。通信料は利用者負担。虻田町は1号として、一時帰宅の実施要領などを掲載した広報誌 「あぶた」の臨時号外(A4判、1枚)を入力した。  問い合わせは、同情報研(電)011・707・0345。

 

 ・国道230号の交通規制を一部解除 道警

 有珠山噴火に伴う避難指示地域の一時解除拡大を受けて道警は3日午後3時半、国道230号の胆振管内虻田町入江202〜同町泉79の約400mと、同町洞爺湖温泉町192〜同町洞爺湖温泉町191(珍小島)の約400m、道道洞爺湖登別線の同管内壮瞥町壮瞥温泉1〜虻田町洞爺湖温泉町2の約200mの交通規制を解除した。

 

  • 道路通行止通行禁止規制区間  平成12年5月23日 午後08時00分現在

道央道  伊達IC〜豊浦IC

国道37号

※ 天候その他の状況により、規制内容が変わりますので、より詳しい内容をお知りになりたい方は北海道警察本部 交通管制センター電話 (011)251−0110(内)4267・4268までお問い合わせ下さい。

道道 洞爺湖登別線  

道道洞爺湖登別線は、12日の壮瞥町内避難指示全面解除を受け、不通区間が次のとおり縮小されています。

(12日9時以降)虻田町字洞爺湖温泉町144番地先(旧来の国道230号交点)〜

      壮瞥町字洞爺湖温泉1番1地先(壮瞥町・虻田町境界)

※ 上記のほか、今後の気象状況により、周辺の道路に通行止めなどの規制がかかることがあります。現場警察官の指示に従ってください。

  • JR

運転を見合わせていたJR室蘭線の全ての列車が6月8日より通常運転となる。

・特急「スーパー北斗」「北斗」は全て(11往復)室蘭線経由で運転。なお、当分の間全列車が伊達紋別駅・洞爺駅に停車する。

・夜行寝台列車等は全て室蘭線経由で運転を再開する。

JRの詳しい運行計画は、こちらへ→http://www.jrhokkaido.co.jp/new/nusu2.html

交通関連の詳しい情報はこちらです

  • 支援ステッカー販売開始

レスキュードットネット有珠山ネット支援ステッカー販売開始→こちらから購入

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